書評「戦争の罪を問う」


「戦争の罪を問う」
カール・ヤスパース
橋本文夫訳
平凡社

K・ヤスパースによる戦後のドイツ人によるドイツ人への批判書。
1945年に草稿が記され、1945-46年にかけハイデルベルグ大学で講義された内容だ。
戦争と敗戦に関わるドイツとドイツ人の罪と責任を描いた小論。(あとがきより)
大変読みやすく、立場を置き換えればよりわかりやすい。
議論も平易だ。
続きが気になって最近の中では比較的早く読み進んだ方だと思う。
「過去の克服 – ヒトラー後のドイツ」で出てきた本がたまたま手元にあったので読んでみた所だ。

“書評「戦争の罪を問う」”の続きを読む

美人はいかに生まれたか

社会的な意味での美人、つまりある程度の規模の集団が概ねそれを美しいと認める人はなぜ存在するのか。
何がそれを要請するのか。
そしていつ生まれたのか。

記号としての美人

初めに考えられる事は「記号としての美人」だろう。

文字による表現しかない時代は記号は単純だった。
大きな価値がある、守るべき、その為に戦うべき存在を示したいならば「世にもまれな美人がいた」等と記すだけで誰もがそういう存在なのだと認めるだろう。
物語の表現においてそのような存在は時に不可欠だ。
二人の男が一人の美しい姫の為に戦うならば、彼女は勇敢な男が命を賭すに値するほどには美しくなくてはならない。
そしてその美しさは二人の男のみならず、観客にとっても明らかでなくてはならない。

“美人はいかに生まれたか”の続きを読む